第8回 やっぱり花が欲し〜い



お見舞いの品って、いったい何がいいのかしら、と思い悩む人は多いと思います。特に、お見舞い相手の好みがわからない場合は、困りますよね。病気の場合だと食事制限があって食べ物はだめ、というケースが多いですし。

やはり、お見舞いの品には「お花」を推薦します。

花瓶いらず、水やりがラクなアレンジメント形式がベストでしょうが、予算がないなら、小さなブーケ、または一輪だけでもかまいません。庭の花を切って持っていくのでもいいんです。たいていの病院では、洗面所の下などに自由に使ってよい花瓶のストックがありますから、それを借りて飾ればOK。

これは患者の立場に立って「花がないのは悲しい」と実感したからこその話です。

私にとって、入院は2度目。
家族一同にとっては、もう経験済みなことであり、今さらビビることも、特別扱いもありません。私自身「まあ、お花はね、無くていいよ。お金もったいないし」なんて思っていたんです。しかし、それは大きな間違いでした。花がない入院生活は、意外なほどに、つらかった!

花は、痛みでうなっているときの「助け」になるのです。生花というだけあって花は生モノ。この「生体エネルギー」を浴びることが、弱っている病人には効果的だったんです。


私の場合、入院してから3日目の午後、17時から開腹手術がスタートしました。面会時間は20時に終了なので、手術室から出てきた私は、集中治療室でひとり。さすがに、お腹を切った日の夜は、つらかったです。熱があって、患部がやけどのように痛む。傷口が開くのでは? と不安で、身体を動かすこともできません。棒のように寝て、天井を向いて、ウンウンうなることしかできません。

振り返れば、そこまでつらかったのは、8時間ぐらいでした。でもその渦中にいる間は、けっこうしんどいです。何もできないし。

そんなとき、枕元にお花があったら、癒されただろうなーって、思うんです。「ああ、病人なんだからワガママを言えばよかった。花が欲しいと騒げばよかった」と思っても、後の祭り。

そこで、皆さんにはこう言いたい。

「痛みで動けないとき、病気と闘っているとき、花は助けになる存在」だから、お見舞いとして持っていくのに最適なものである、と。

サイズや値段は関係なし。「あるかないか」が重要です。イキイキしたお花は、その場の空気を明るく変えてくれるし、病人もそこから元気をもらうことができるんです。

同じ日に手術を受けた女性には、入院当日にフラワーアレンジメントが届けられました。会社の同僚がお金を出し合って持ってきてくれた、事務的なものだと言っていましたが、私は、こう思うのです。

「それでも花があるのはいい!(誰がくれたのだとしても)」

特に、手術直後に効果が高いのです。ですから、直接お見舞いに行けなくとも、入院直後に届くよう花の配達サービスを利用するのもいいと思います。病状によって生花を病室に持ちこむことを禁止している場合があるので、事前に病院に問い合わせをしておけば安心。

身内からの花を断って悲しい思いをした私でしたが、入院1週間目にして、ついにお見舞いの花をいただきました。ずっと一緒に仕事をしてきた、仕事仲間であり友人の女性から、紫のバラの花束を! あの喜びは格別でした。花をもらってから、格段に回復のスピードが上がったような気がします。

弱っている人には、お花のエネルギーを差し入れてあげてください。