第2回 告知の時は突然。ショックを受けるのは当然。



私が「手術が必要な病気だったのか!」と知ったのは、29歳の時でした。
自覚症状がなかったので「即、開腹手術」と言われるほど、患部が成長してしまっていたんです。

今振り返ると、この時期はまだ、10年つづいた私の「大便秘時代の後期」。つまり、自分の身体について全く興味がなく、なんのケアもしていなかった頃なんです。そう考えると納得できますが、宣告を受けた時は、とにかく驚いてしまって、ただただ、呆然自失。

だって、お腹のゴリゴリは、便秘がひどすぎて便が固まっているんだと、信じていたんですもの。病気が発覚したのは、先生が一人いるだけの、内科医院でした。

「便秘がひどいからだと思うんです、このお腹のゴリゴリ。整腸剤をくださ〜い」 軽い気持ちで相談すると、超音波検査をした先生の顔が暗いんです。「子宮筋腫かもしれない。すぐ婦人科で精密検査を受けたほうがいいよ。手術が必要だと思う」

その瞬間、目の前は真っ白。わずか0.5秒(推定)の間に、頭の中は言葉の洪水状態。

えっ? このしこりって、便じゃないの? 私、病気だったの? だって別に具合悪くないし、どこも痛くないよ? なんかの間違いじゃない? っていうか、そんな話を聞くぐらいだったら、病院なんか来るんじゃなかったよ!

どーしたらいいの? だいたい、子宮の病気って何が問題なわけ? 妊娠できないとか? 子どもが産めないとか? それより、手術って入院するってこと? お金はどうする?貯金なんてほとんどないよ。 だって会社やめて独立したばっかりなんだから。 そもそも、病気だと働けない? これから仕事はどうしたらいいの?

無言のままパニックにおちいってる私に、先生は優しく声をかけてくれました。「とにかく、今日はお家に帰って、家族の人とよく相談して。手術を受ける病院の希望があったら、紹介状を書くからね」

でもね、どうやって家に帰ったか、よく覚えてないんです。つい1時間前までは、自分が健康だと信じて疑ってなかったんですから。急に「手術しないと」とか「どこの病院で?」なんて言われても、何にも考えられません。ハラハラと涙を流しながら、誰に相談しようかなーと、思うのが精一杯。

だけど、自覚もないときに、突然、病気の告知をされたら、誰だって驚きますよ!
すぐに冷静になれなくたって、当たり前ですよ!まずは「ちゃんと驚いて」、身内(家族、友人)に「今の心境を、素直にしゃべる」のがいいと思います。話しながら落ち着いてくる、という効果もあるし。

本人は冷静でいられないんですから、頼りになる人に冷静さを担当してもらいましょう。冷静になってから、何をしたらいいのかを考えても、遅くありません。というか、冷静でないときに、何かを判断してはダメなんです。いくらショックを受けたからって、何日も何週間もボーゼンとしてはいられないですからね。人間って、案外、強いもんですよ。特に女性は。