第3回 情報を制する者は、不安を制す!


病気の自覚がないときに「あなたはすぐに手術が必要です」と言われたら、誰だってビックリします。動揺します。涙、涙になってしまうのもムリはないこと。だけど、泣いていれば自然と問題が解決するか、といえば、そんなことはない。ひととおり「ショックの嵐」が過ぎ去ったら、次の段階に進みましょう。
冷静になるには「事実と対策」を調べることが、とっても有効なんです。
やるべきことが見つかれば、その作業に没頭することで、気持ちが落ち着いてきます。(失恋から立ち直る時に似てるかも…)

当時の私は「子宮筋腫かもしれない」という診断を受けたのですが、「子宮筋腫とはどういう病気なのか?」という知識が全くありませんでした。「そういえば親戚のお姉さんが筋腫になったけど、子どもを産むときに帝王切開にしてついでに筋腫も取った、とかなんとか言っていたなあ」ぐらいのもの。

まずは敵(=病気)を知ること。それが、治療の第一歩!

一番簡単、かつ、確実な方法は、大きな書店に行って、その病気を解説した本を買い求めることです。家族や配偶者、友達に代行をお願いするのも一案。
自分で読むのはつらくても、大事なところだけをピンポイントで身内が説明してくれれば、不安を感じることなく学習できます。

私が初めて病気だとわかったのは10年以上前のこと。「子宮の病気の本」といってもあまり種類がありませんでした。唯一、見つけたのは、お医者さんが書いた本。まずは、症状や治療法について学習です。
「この病気では、死なない」「よくある病気である」ということがわかってきました。

とはいえ、専門書が難しすぎたのか、はたまた、自分に都合の悪いことは知りたくないから読み飛ばしていたのか、勘違いしたまま手術に望むことになるのですが。
勘違いとは「悪いところを切れば、この病気は治る! 手術を受ければスグに健康になる!」という思いこみのことです。

そして、婦人科での検査の結果「子宮筋腫ではなく、子宮内膜症のようだ」と言われたことも、混乱の原因でした。子宮筋腫の本と、子宮内膜症の本はそれぞれ別に発売されていて、それらの違いについて、よくわからなかったんです。
2005年の手術にそなえて、再び学習した折り「この2種類は併発する場合がある」また「子宮腺筋症という病気もあり、それも併発する場合がある」という事実関係が、ようやく理解できたのでした。

現在では、書籍の種類も増えましたし、インターネットも著しく発達しました。
今は、本をインターネットで買うこともできるし、個人の体験記をブログで参照するのも実に簡単! それに、自分と同じ病気の人が集まる「体験者の会」を見つけることだってできるんです。本当にいい時代になりました。

自分の病気について調べる。それはけして楽しい調査ではないでしょう。
でも、その知識があるとないでは、大違い。

  • 自分の治療を、自分で選ぶ。
  • 自分の身体を、自分で監督する。
  • 自分の人生を、自分自身でデザインする。

そんな気持ちを持って取り組めば、この勉強は決してムダではない、いえ、よりよい人生の為には「絶対に必要だ」ってことが、わかります。

勇気を持って、第一歩を踏み出しましょう。