暗雲立ちこめる?フィレンツェ

昨夜、フィレンツェのペレトーラ(Peretolra)空港に着くと夜23時。インフォメーションも両替所もしまっていて、しかたなくタクシーで宿まで移動。深夜料金フィックスプライスのタクシーは23.3ユーロ。しかし、問題はお部屋。108号室と言われ荷物を運び込んだのだが、なんだか暗い部屋。しかも窓からの景色がないに等しい。さらに、冷蔵庫が壊れていて、かびくさいニオイが!
私はただちに階段を駆け下り、部屋の交換を交渉することにした。「今夜別の部屋を用意するのは無理だから、明日、また相談しましょう」ということになる。
真夜中近いせいもあり、タクシーでの道のりは暗いし、ホテルの周辺もなんだか物騒な感じ。本当にここで大丈夫なんだろうか。ガラにもなく不安に襲われる。

さて、日本から予約していったホテルは1泊2万5千円。ここに4伯する。私にとっては破格の贅沢である。だからこそ、いい部屋に泊まりたい。同じ金額なんだったら、もっと景色のいい部屋がいい〜!
というのも、この宿は5階建て(日本で言うところの6階建て)。朝、階段の途中にある窓からの景色をチェックしてみると、4階5階の高さならば、周辺のホテル街よりあたまひとつ抜き出て、見晴らしがよくなる。
「4階か5階の部屋に替えて。それで、できれば事前にその部屋を見せて」ということで、掃除前の段階の空き部屋、4階と5階、それぞれ1部屋ずつを見せてもらう。
すると、5階の部屋には大きなテラスが。街を一望できるテラスに、テーブルと椅子が2脚。いいっ。この部屋がいい〜っ。
これこそまさに、フィレンツェを満喫するのにふさわしい部屋ですわ! 何でも言ってみるもんだわ。
最初の部屋は確かに広かったし、天井も高かったし、ベッドが3つあったし、バスタブもついていたけど、でも景色が無かった。逆に、5階の部屋は狭いシャワーブースしかないし、窓も1カ所だけど、その窓からテラスに出られる。何を取って何を捨てるか、なんだけど、やっぱり私は「景色派」。特に、今の暑い季節ならばテラスで夕食を食べることだってできる! 運が開けてきた〜っ!


あらためて、明るくなった街に出てみる。まずはサンタ・マリア・ノヴェッラ(S.M.N)駅をチェック。駅のそばにはエアポートバスの乗り場があり、ホテルから約300mの距離。だからタクシーを使わずバスで節約するつもりだったのに。深夜到着&早朝出発はやっぱり何かと不利だなあ。電車のホームでは、切符の自動販売機をさわってみてテスト。よしよし、クレジットカードも使えるゾ。
つづいて、花の大聖堂ドゥオーモを横目で見ながら、中央市場を冷やかしに。朝10時だというのに、死ぬほど蒸し暑く、湿気はあるのにメチャメチャのどが渇く。市場で冷たいアクア・ナチュレを購入。どうやらこっちでは、ガスなしの水が第一選択肢らしい。観光地だから?

市場を出ると、高いところから街の全体像をみわたそうと、ドゥオーモへ。しかし団体の行列がずらりと長く、てっぺんにたどり着くまで、細い階段をどれだけ待つのだろう、という雰囲気。そこで並びに建つ「ジョットの鐘楼(写真左)」へ。入場料は、ドゥオーモと同じ6ユーロなのだが、こちらは人気がない。内部の壁画といった楽しみがないせい?
鐘楼は、直方体の塔内にぐるぐると巡らされた階段を上る。翌日、筋肉痛になるほどの急階段で、汗だく。それでも、一番上までたどり着くと、風は涼しいし、360度のパノラマを見ながら「次はどこを見に行こう」なんて計画しながら気持ちが盛り上がる。


それにつけても、フィレンツェの「観光地度」は高い。そして「体力消耗率」も高い。ウィーンと比べてより一層。私の体感で1.5倍程度。市場で働く日本人の女性に聞いた話では「ここ2,3日、遠くで雨が降ったせいで、猛烈な湿気と暑さなんですよ」とのこと。いつでもこの暑さというわけではないらしいが、体がしんどい。21年前、卒業旅行の美術館めぐりでこの地を訪れたときは、極寒の2月。でもそういう時期の方が、人も少ないし、個人旅行に適した季節だと、私は思う。
あまりの暑さと人の多さに、残る2日間の観光ルートをどう組み立てるか、が問題になってきたのであった。

固定料金タクシーは、深夜早朝料金で、23.3ユーロ(荷物やチップを入れると28だった)
駅から徒歩10〜15分圏内の宿は、タクシーでの移動と腹をくくればよい。いったん荷物を置いてしまえば、バスや徒歩で町中を巡るのに不便はない。
なお、市内から空港への第一便は0530発。以降30分おきに出発。代金は4.5ユーロ。

  • 今回、宿選びの悩み

実は、ペンションタイプのプチホテルや、滞在型アパートも検討していたのだが、チェックインができそうもない、という理由で取りやめた。日中に街につくのであれば、空港からタクシーで直行するとか、電車で着くならS.M.N駅からタクシーに乗ればよい。いずれ、キッチン付きのアパートを試してみたい。