校長先生、外泊

 昨日の午後から雪がふった。晴れた今日は、朝からお散歩。


「ほな、行こか」
 猫のカッチーに「一緒に行く?」と聞くと、トコトコとついてくる。我が家の猫は一緒に散歩をするのだ。こう見ると、まるで猫に先導されているよう…


肉球が、ひゃっこいねんー」
 パンダ柄のカッチーは、雪と地面がまだらに見えるこういう場所によく似合う。そもそも、パンダの白黒も保護色なんだよね。
 冷たい雪の上を歩きながら、一歩ごとに「ニャッ、ニャッ、ニャッ」と鳴く。ほんとにうちの猫はおしゃべり。
 1キロほど山道を登ったところで折り返して帰路についたのだが、途中でカッチーの足がピタリと止まる。そこは「炭焼き小屋」↓ここ。

 今日は、炭焼き小屋にオジサンがいたのである。そのオジサンを見上げてじーっと動かなくなるカッチー。いくら呼んでもついてこないので、私たちは先に家に戻った。そして、その夜、カッチーは家に帰ってこなかったのである。
 外泊! 外泊ですか、カッチー。
 実家の母は、カッチーのことを「校長先生」と名付けた。堂々としていてカンロクがある、という意味らしい。カッチー、校長先生なのに無断外泊ですか。生徒にしめしがつきません! せめて、外泊するときは一言、ひとこと連絡をちょうだいませ〜。
 
「ほな、今日は泊まってくるさかい。帰りはあさってや」