春の雪に考える

この春は意外な雪に見舞われている。
4/16の夜降った雪は、雨に変わり、我が家周辺では溶けてしまったが、天文台のある堂平山頂付近では、雪遊びができるほどの積雪量となった。宿泊施設の管理人さんたちは総動員で雪かきをしたという。
それを聞いて思い出したのが、3/9の大雪。
車で坂が登れなくなり、近所の友人A宅に一晩お世話になった。
しかし、本当につらかったのは、翌朝の雪かき。
道路は除雪車が雪をどけてくれたのだが、車を止める場所や、玄関に続く道は、スコップを使って自分で雪かきをしなければならない。
小一時間、大汗をかきながら身体を動かしてみて「私、元気になったなあ」としみじみ感激した。

私は、2005年に子宮内膜症でおなかを切る手術をした

手術前は腫瘍が大きくなっていて身体がだるく、まともに動けず。
手術後は傷口が心配でなかなか動けず。
温泉湯治、ウォーキング、家事と段階を踏んで、台湾旅行ができたときは嬉しかった。
「人の世話にならずに自分のことができる」という喜び。
しかし、雪かきができる体力に気づいて初めて
「自分のことだけでなく、人のために何かできるようになった(それだけの体力がついた)」と思えたのだ。

最近、アルプスの少女ハイジの原作を読む機会があった。
なぜだか私は、女性とは弱くて守ってもらう側にいるもの、と思って育ってしまった。
まるで、車いすのクララの気持ち。
しかし、女性は成長を続ける中で、新しい命を守り育てる側になっていく。
クララは立ち上がれるようになり「今度は私が誰かの役に立つ番だわ」と考える。

雪かきをして「人のためになにかできる」自分に気づく。
寒さの中に希望が見える、春。

アルプスの少女ハイジ (角川文庫)

アルプスの少女ハイジ (角川文庫)