ハーレーの屈辱


同窓会の帰り道、川越で買い物をしてから帰宅した私。
川越アトレ地下でゲットした新鮮なお魚(ごまサバ、アジ、うるめイワシするめイカ)を冷蔵庫にしまおうとしていると、雲行きがアヤシイ。
こりゃ、一雨くるわ。
ダーリンはテニスに出かけて留守だったが、ハーレーが外に出しっぱなしになっている。雨に濡れたらかわいそう。車体はとっても重そうだけど、私でも動かすことができるかしら。
パイプを組んでビニールをかけた車庫の中へしまってあげようと、スタンドを起こしてよっこらせ、と動かし始める。ところがこれが。重いんです。私のバイク(YAMAHA TW)の3倍ぐらいはありそうな重量。前に動かそうとさらに力をこめたら、よろり、と左に倒れるハーレー。車庫のパイプにダウーンと倒れこんだきり、私の力ではうんともすんとも動かせなくなってしまったのでした。
 よかれと思って。
 よかれと思って、ハーレーを屋根のあるところへしまってあげようと思って。
 なのに目の前に広がる、恐ろしい光景。
 左に傾いて、かろうじてパイプにひっかかっている、ハーレーダビットソン スポーツスター
 頭半分はビニールがかかっているけど、お尻が濡れてしまう。
 せめても、とバイクにかけるカバーをとってきて、雨からガードする。

どど、どうしよう〜。自分では起こせないよ、このバイク。
彼が帰ってきたら一緒にやるしかないけれど。
この姿を見たら、絶対、怒るだろうな。

暑さと、バイク転倒のショックで、あたまがクラクラする。もう休憩するしかない、と倒れ込んだ私が正気に戻ったのは彼の不機嫌そうな声を聞いたとき。

「きみこちゃん? どうなってるんだよ、ハーレーは!」

昼寝という現実逃避をしていた私の姿に、彼の怒りは倍増。しかし、二人がかりでバイクを起こし、しっかりと車庫にしまうことにどうにか成功。
ダーリン。ホントにホントに、ごめんなさいッ。