未来を写した子どもたち

毎週金曜日、シネスイッチ銀座はレディースデー。通常1800円のところ女性は900円で入場できる。前回、「マルタのやさしい刺繍」の予告で紹介していた映画を観てみることにした。

タイトルは未来を写したこどもたち

インド、コルカタカルカッタ)の赤線地帯で育つ子どもたちに、ニューヨークの写真家、ザナが写真の撮り方を教える、という映画だ。アカデミー賞、最優秀ドキュメンタリー賞を受賞している。

インドには、過去2回旅をした。最初は3ヶ月間のバックパック旅行。次は3週間のダージリン紅茶園訪問。
インドにカースト制度があることを知ってはいたが、「犯罪となる職業(売春)」をして暮らしを立てる女性がいることは知らなかった。インドには、性を商売にする文化はない、と勝手に思いこんでいたのだ。
売春宿が並ぶこの界隈で育った子どもは、外の世界を知らない。
「この一家はカーストは低くないが代々売春を商売としている」という言葉には胸が詰まった。
職業に貴賤はないと言いたいが、その職業についている人がつらそうなのは悲しい。女性にとって愛のないセックスを繰り返すのはつらいことだと思う。
映画を見ている間、「自分の無力さ」と「現実の苦さ」を突きつけられて、ちょっと具合が悪くなった。

私には何ができるんだろう。
私には何ができるんだろう。

まずは、知ってもらうこと。
そう考えて、ザナは子どもたちが撮った写真で展示会を行った。
そして映画を作った。
子どもたちは、自分の未来に夢を描くことができた。
写真のセンスだけでなく、驚くべき絵画の才能を持ったアヴィジットは、招待されてアムステルダムへ行く。

私にできる第一歩はこの映画を見たこと。
できれば、インドのことや写真というメディアに興味のある人は見てみて欲しい。
館内には、実際に子どもたちが撮影した写真のパネル展示もある。

未来を写したこどもたち

シネスイッチ銀座
12月26日まで上映中。
上映スケジュール 11:00、13:05、15:10、17:15、19:20